ジャールカンドの朝
ジャールカンド州の州都ラーンチに到着した。
ポー、ゴトン、ゴトン。
なんの音だろう。
おもむろに外に出た。
ビビーと言うオートリキシャのクラクションの音。
どこからもとなく聞こえてくる祈りの声。
オートリキシャーの隣で寝る人。
ハンセン病キャンペーンを手伝ってくれている、インドの俳優アミタブッチャー氏の看板。
(左がアミタブッチャー氏)
リキシャーで客待ちをする人。
チャイの屋台に群がる人。
少年が手を振って来た。視線を感じる。
東洋から来た珍しい顔に、びっくりしているのか真顔の人が多い。
駅舎が見えてきた。
朝日が差し込むプラットホーム。
通勤電車を待っているのか、人影がまばらに。
東京の通勤からは想像できない緩やかな時間が流れていている。
女性は待合室で楽しそうに談笑していた。
駅舎の外にはチャイの屋台が並んでいた。
ミルクを温め、お茶をこすのをじっと眺める。
あまりにもうまそうなので、ひとついただくことにした。
15ルピー。
駅前だから少し割高かもしれない。
隣でチャイを待ってるおじさんが、
very good chay giving you.
と、注文したチャイを下げて新しいチャイを注文してくれた。
入れたのは残り物だったら、新しいミルクを出して温めなおし、チャイを入れ直してくれたようだ。
おじさんはおもむろにコインを置いて去って言った。
僕は、あつあつの親指サイズの紙コップを指でつまんで持ち上げ一口で飲み干した。