コモロへ到着、大統領と同じ飛行機でアンジュアン島へ
エチオピアのアディスアベバを飛びたち、タンザニアのダルエスサラームを再び飛び立ったエチオピア航空の飛行機は、島ひとつない大海原を一時間半、グランドコモロ島に到着した。
日差しが強くカラッとした天候で30度くらいはあるだろうか。
入国審査の場所に並ぼうとしたら、名前を書いたフリップボードを持った人が立っていた。
VIPと書かれたビブスを来ているところを見ると、大統領のゲストということでアテンドしていくれているようだ。
車でVIPルームに連れていかれるとWHOの人が迎えてくれた。しばらくここで待てと言われた。
歴代の大統領の写真が飾っていた。
こちらはアザリ現大統領
迎えに来てくれたWHOの方
今日はこの首都モロニがあるグランドコモロ島に一泊して翌朝移動の予定であったが、どうやら大統領が来るので一緒に明日移動予定のアンジュアン島に行くそうだ。プロトコールという儀式的なものが重視されるので、ここは彼らに任せるしかない。
2日近く移動してきたので、ひとまずトイレで水を含ませたタオルで体を拭いて着替えることにした。
1時間ほどしても大統領は現れない。どうやらマダガスカルの外務大臣が来たということで対応しているそうだ。ハンセン病とは別の件だ。
VIPルームには黒いスーツの体格のいい男性や、イスラム教特有の帽子と衣装をまとった男性、赤いドレスの女性など要人と思われる人が集まってきた。
これがボーディングパス
AB Aviationというコモロの航空会社の飛行機へ乗り込んだ。飛行機への道はレッドカーペットがひかれている。
飛行機に乗り込むとお互いが挨拶を交わしている。
機内の窓からレッドカーペットに黒いスーツのSPが何人も取り囲んだ、真ん中にいるのがアザリ大統領だ。
コモロの航空会社のAB Aviationの機体に乗り込むと同じように挨拶を交わし、非常扉のある前が広くなっている私の隣の席に腰を下ろした。サービス精神旺盛で彼から写真を撮るかといってツーショットを取らせてくれた。
程なくして飛行機はイーブンサイード空港を離陸した。
グランドコモロ島は火山島のような島で所々に溶岩が流れたような跡がある、平地を中心に家が点在している。5分ほどで島を出て、しばらくは島すら見えない大海が続く。
モザンビーク海峡に4島のみあるのがコモロ諸島である。30分ほどしてアンジュアン島が見えてきた。
大きな揺れもなく、安全に着陸した。
空港には大勢の市民が大統領を待ち構えていた。同時に迷彩服を着た軍隊もそばに控えていた。
このアンジュアン島は大統領にとっては決して安全と思える場所ではないらしい。
コモロ連合は3島からなり、人口の多い順にグランドコモロ島、アンジュアン島、モヘリ島となっており選挙をすれば必然的に人口の多いグランドコモロ島出身の候補が大統領になってしまう。それに不満を持ったアンジュアン島の候補がクーデターを起こした歴史があり、そこから大統領は島ごとに順番に選ばれる輪番制となっているのだ。
しかしグランドコモロ島出身の現大統領は、輪番制を廃止しようとしておりアンジュアン島民にとってみれば歓迎されない人である。
つまりいつクーデターが起こってもおかしくないという状況なのだ。
大統領は安全を考慮してこの島にいる間は軍隊の駐屯地に寝泊まりするという。
我々はWHOのコモロ代表やアフリカ事務所から派遣されたスタット一緒に普通のホテル(しかも馴染みの)に泊まることになり一安心である。
アンジュアン島はグランドコモロ島と比べインフラが整っておらず、シャワーも水でインターネットの接続も不安定だ。
このブログを書いて写真をアップロードするのもやっとのことだ。
アンジュアン島の日が暮れていく。